2018年5月20日日曜日

おひとりさまにとっての長生きリスク

年々、1人暮らしする人が増えています。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計によると、2015年の単身世帯は約1841万8千で、家族類型別のトップとなりました。

この傾向は、ピークを迎える2032年頃まで続く見込みで、2040年頃には5世帯に2世帯が単身世帯となる計算になります。

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その背景にあるのは、生涯結婚しない人の増加や死別・離別後の再婚率の減少、そして何より日本人の長寿化です。

「気がつけばひとり」になる可能性は大
周りを見れば、もはや90歳越えは珍しくもなんともなく、「人生100年」も十分考えられる時代となりました。健康で長生きできるのは、喜ばしいことではありますが、それはほとんどの人にとって、配偶者を亡くしてからの年月が長くなることを意味します。

結婚していても、配偶者を亡くしたあとは、子供夫婦などと同居するケースはむしろ少数派で、そのまま独居となる人が多いんだとか。つまり、おひとりさま老後は、結婚や子供の有無に関係なく今後も増えていく見込みで、まさに日本の高齢社会の特徴なのです。


独居する「高齢者の高齢化」がさらに進めば、日々の買い物などにも不自由する人も当然増えます。しかし、現在の厳しい財政状況下では、身の回りのサポートまで公費で賄うことは、おそらく非現実的でしょう。自分自身の老後については、ひとりひとりが自分で面倒をみるつもりで、しっかり準備しておかなくてはいけません。

おひとりさま老後への心構え
おひとりさま老後に大切なのは、「少しでも長く自立できる身体作り」と「適度な人との交流」、それに「少額でも長く継続的に現金を得る」ことです。

老後の経済的困窮と孤立を防ぐためには、なによりも身体の動けるうちは働いて、社会との繋がりを保つことが肝心。また、最近注目されている「シニア婚」のように、高齢者同士で支え合えるようなパートナーなり、仲間をもつことも、新しい老後の選択肢となりえます。

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社人研の推計によれば、2015年の高齢者に占める1人暮らしの割合は、2040年には男性20.8%、女性24.5%まで上昇する見込みだそうです。

おひとりさま老後なんて当たり前になる時代になりますから、必要以上に不安がることはないのかもしれませんが、これからは、これまでの家族像や住まい方にとらわれない、新たな支え合いの仕組みを模索する必要がありそうですね。

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2018年5月1日火曜日

カードローンで投資する人の末路

最近、個人で自己破産する人が増えてきているようです。
最高裁がまとめた個人の自己破産申立件数は、一昨年、昨年と2年連続で増えており、2017年の速報値は前年より6.4%増の6万8791件。

伸び率は16年(1.2%増)から大幅に拡大しました。同じ時期、貸し出しの行われた銀行カードローンの数は急増しています。

少々以前のアンケートですが、以下はジャパンネット銀行が2013年2月に公表した「カードローン利用に関する実態・意識調査」です。

有効回答数2,241名(複数回答)
  • 娯楽・交際費 48.3%
  • 生活費(食費・家賃支払い) 42.2%
  • 車関連費(購入・車検・メンテナンス) 18.2%
  • 旅行費用 12.7%
  • トラブル対応費(事故・入院) 12.6%
  • 他の金融機関への支払い 10.6%
  • 教育費 10.0%
  • 慶弔費 7.7%
  • 投資資金 6.3%

これを見る限り、カードローンの利用目的は、その大半が娯楽・交際費や生活費となっていますね。 ちょっと手持ちがない分を必要なだけ借りて、すぐに返済できるなら、お手軽なカードローンは確かに便利。金額も決して大きくはないでしょうし。

「投資家」はローン返済が行き詰りやすい!?

自己破産は2016年から前年比増加に転じ、ペースが上がっています。 2016年と言えば日銀が日本では初めてとなる「マイナス金利政策」を始めた年。

この政策開始以降、それまで銀行にあった普通預金や定期預金を解約し、株やFX、仮想通貨、不動産投資などへ投資する人が急増しました。

特に仮想通貨による「億り人」の出現などで、それに習えと手持ちの資金のみならず、カードローンで資金を捻出してでも、仮想通貨にお金をつぎ込む人たちが続出しています。
  

投資の場合、うまくいけば原資が多いほど、より儲かるのは当然です。そのため、投資目的でカードローンをする人が借りる金額は、生活費などに比べて大きくなりがち。

いきなり限度額まで借りてしまったりして、計画通りにいかなければ途端に行き詰まってしまうのです。こうなると最早投資ではなく、ギャンブルですよね。

カードローンに頼らざるを得ない銀行

マイナス金利に象徴される超低金利政策の影響は、銀行にとっても甚大でした。
それまで、銀行の収益の1つの柱だった国債の運用は、利回りの低下で大きく落ち込んでいます。

また、企業への融資も、資金の需要が低迷している上、金利が低いので、利ざやがほとんど稼げない状態。銀行も1企業である以上、どこかにお金を貸して、収益をあげなくてはなりませんから、自然、多くの銀行がカードローンを新たな収益の柱として据えるようになったのですね。

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しかも銀行カードローンは、銀行法という法律のもとで運営されているため、総量規制にあたる貸金業法には該当しません。つまり、専業主婦のように、返済能力を正確に把握できない場合でも、お金が借りられてしまうのです。

多くのニーズに対応できる反面、延滞や破産リスクも当然大きくなります。 消費者保護をちゃんと考えるなら、銀行に対しても「貸付額は本人年収3分の1まで」の総量規制をかける方がずっと健全なのではないでしょうか。

まとめ

自己破産急増の裏に銀行カードローンの存在が囁かれるのは、
1.投資ブームの影響などから安易に大きな金額を借りてしまう人が増えたこと
2.カードローンビジネスへの傾斜を強める銀行が、ローン審査を厳しくしようとしないこと
にその要因があるようです。

困った時、気軽に利用できるキャッシングサービスそれ自体は大変便利なモノ。ただ、間違った使い方をしないよう、借りた分を返すまでは新たな借り入れはしないなど、厳格なマイルールを設定しておくと良いですね。

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