一般的に『痒み』とは皮膚にある肥満細胞から分泌される痒み物質のヒスタミンによって引き起こされると考えられているため、抗ヒスタミン薬で治療することがほとんどです。
でも、抗ヒスタミン薬で効果のない痒みや、痒み以外にも足のつり、だるさといった症状が見られるなら、そのかゆみの原因はもしかしたら肝臓にあるのかも。
肝臓の病気から生じる痒みは中枢性の痒み、つまり脳が感じていてオピオイドによる痒み誘発系、抑制系のバランスの乱れ(オピオイドの中でもμとκオピオイドのバランス)といわれています。
そのような肝疾患の痒みに適する薬としてはレミッチやナルフラフィン(メーカーにより適応ないのもある)があり、これらの薬剤は皮膚や脳の中で活性化した2種のオピオイド物質のバランスをもとに戻して痒みを抑えるとされています。
ちなみにレミッチでは5%以上に見られる副作用として不眠や、便秘、頻尿があり、特に慢性肝疾患では投与開始後4週以内に現れることが多いのに注意。
抗ヒスタミン薬でもかゆみが治らない!という訴えがあったら、とりあえず肝機能数値をチェックしてみるのがいいですね。